2018年7月6日金曜日

企業見学・わーくはぴねす農園に行ってきました

更新をさぼってしまい、久しぶりの投稿となりました。

今日は 教育部会主催の企業見学ということで
株式会社エスプールプラスさんのわーくはぴねす農園・柏ファームに伺いました。
親会社の株式会社エスプールさんは 人材アウトソーシングの会社です。

法定雇用率が2.2%となる中で、企業の障害者雇用数は増えてきているようですが
障害者をどうやって採用したらいいか に始まって
何をどう働かせたらいいのか に悩む企業は多いそうです。
特性に合った仕事とうまくマッチングできないと、障害者は辞めてしまい
定着率が悪くなる。
仕事を用意し、障害のある従業員のマネジメントをする人も大変。

そこに農業で障害者雇用を創出し、企業の課題を解決する提案をすることで
社会貢献をしているのが このわーくはぴねす農園 というわけですね。
現在189社、1031名の障害者が働いているそうです。

ここで働く障害者は 皆さん企業の従業員で、職場が農園。
つまり一般就労。
エスプールプラスさんはそのサポートを提供しているということになります。
なので、給与は企業から支払われていて、最低賃金が払われる。

最初 私はこのお給料に魅力を感じて、是非見学させてもらいたい!と思ったのですが
実際に農園を見てお話を伺い、その支援の体制の素晴らしさに感じ入りました。

我孫子の駅に集合し、送迎用の大型バスで走ること30分。
農園に到着。

ずらっと並ぶビニールハウス
土ではなく、軽石を使用した養液栽培なのでほとんど汚れることがありません。

レーンは発泡スチロール製なので、万が一転んでも危なくない。
重機等は使わず、プラスチック製のスコップで耕せます。
すべて安全に配慮した仕様です。



新しいフィールドでは一からレーンづくり 

企業によって作る品種はいろいろ。

サイドは高く、中央に背の低いものを植えるのも死角を作らないための配慮。



←電車好きの従業員向けの工夫
どのレーンに水をやればいいか、これならすぐわかります。


知的障害のある人にとって、農業は手順もはっきりしているし
何より野菜や果物という成果物が目に見えるのがいいのでしょうね。
おいしいと食べてもらえたら、こんなに嬉しいことはないでしょう。

ただ 作った野菜は販売せず、企業の社員の福利厚生と差し上げていたり
社員食堂で利用してもらったりしていると聞いて
どうしてだろう? と思っていたのですが...

最初は少しでも企業の売上として貢献しようと考えて販売していたのだそうですが
それだと農場長(障害者3人に農場長(健常者)が1人の4人で1チーム)が
販売に腐心しなければならなくなり、続かないのでやめました とのことでした。

また、農園という離れた職場で働いて、企業の従業員という帰属意識が持てるのだろうか? と疑問に思うところもあったのですが
野菜をもらった社員の方から、御礼のメッセージが届いたり
料理して食べた写真が送られてきたりして、それを提示するようになっているので
人の役に立っている、喜んでもらえている という気持ちになれるそうです。
それに、人事担当など社員の方が最低でも月に2回くらい、多いところは毎日のように
農園を訪ねてくれて、声をかけてくれたり、一緒に作業をすることもあるのだとか。
そういうことがここで働く従業員の方にはとても嬉しいでしょうね。


もう1つ心配だったのは、夏場はビニールハウスの中が高温になるため
暑さに耐えられるのか? という点で
それを体感したくてこの時期に伺ったのですが...
この日はあいにくの大雨で、7月というのにむしろ半袖では寒いくらいの陽気。
見学には良かったのかもしれませんが、暑さを実感するには至らず。

ただ説明していただいたお話によると、夏場はやはり猛烈な暑さで
ハウスの外に出ると涼しいと感じられるくらいなんだとか...。
そのため15分作業しては 15分休憩など
こまめに休憩を取って、体調の管理をしているそうです。
逆に冬はそれほど寒さは感じない ということでした。

農園にはトレーラーハウスがたくさんあり、企業ごとの休憩所となっていました。

その他にも障害のある従業員の身になって 非常によく考えられていて
支援の体制が充実していることに感激しました。
農場長が毎日日報でその日の様子を家庭に伝えてくださり
また家庭での様子や休日の様子などもヒアリングし
職場と家庭が連携して当事者を支えようとしていただけることは
親にとってはとても安心だと思います。

知的に重度の方でも、一人で通勤ができ、暴言・他害などがなければ働くことは可能だとのことで
私達保護者にも夢と希望が与えられるような想いがしました。
このような雇用の形態がもっと増えていくとありがたいですね。

というわけで、今回はとても実りある見学となりました。
時間のある方同士で遅めのランチを取りながらいろいろおしゃべりできたことも
楽しいひと時となりありがたかったです。
もちろん見学は一人でもできることなのですが
こうやって皆さんで伺えば、他の方の感じたことや質問をシェアすることできるので
それがいいんですよね。
是非来年の夏、今回新しくできた別のファームの見学に行きましょう! と
みんなで意気投合しました。
他にも入所施設の見学など、今後も教育部会での見学を企画していきたいと考えています。
またご案内しますので、皆さん是非ご参加くださいね。

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